ボールペンのインクの「油性」「水性」「その他」の違いを徹底的に解説します!
最近はデータ社会になっていて、紙に何か書くという機会も少なくなっていると思います。
ですがゼロにはなっておらず、ほとんどの人がボールペンはお持ちなのではないかとも思います。
ちなみにボールペンって「油性」とか「水性」とかの表記があると思うのですが、この違いってみなさんはご存じですか?
これらの違いって意外と大きくて、書き味以外にも様々な特徴があるんです。
そんなボールペンのインクについて今回は徹底的にご紹介していきます。
インクの種類
インクの種類は大きく分けて2つで、冒頭でも書いた通り「油性」と「水性」です。
油性インクは昔ながらの書き味のものと、最近流行りの低粘度のもの(いわゆるなめらかインク)があります。
水性の中も2つの種類があり、「水性顔料」と「水性染料」に分けられます。
後は水性と油性を混ぜたエマルジョンインクや、熱で消えるフリクションインキなどがあります。
分布としてはこんな感じです。
それでは詳しくそれぞれの特徴を見ていきましょう。
油性インク
油性はおそらくボールペンのインクとしては一番昔からあったものになります。
その昔は油性でないと公式文章に使えないということもあったみたいです。
「油」とある通りしっかりと耐水性があり、そのためかもしれないですね。
油性のインクはペン先がしっかりと紙に押し当て書くようになります。
(軽くペン先のボールが沈むだけではインクはほとんど出てきません)
ですので手書きの伝票など複写式の紙に書くには油性が適しています。
また、ペン先を寝かせて書いても書くことができます。
あとは油性インクは他のインクと比べて長い距離を書くことができます。
なんと水性インクと比べると約2倍もの距離を書くことができるのです。
使い場所を選ばないのでオールマイティーなインクだと思います。
昔ながらの油性インク
昔からあるタイプの油性インクはしっかりとした書き味があります。
スルスルとペン先が滑りすぎると文字が安定して書けないという人もいるので、そういう人にはこちらがおすすめです。
あとは最近のなめらかなインクなどと比べて若干価格が安いです。
低粘度油性インク
油性インクは書き味が重いという弱点がありましたが、最近では低粘度のものが出てきました。
油性なので紙に圧をかけて書くというのは変わらないのですが、かなり書き味がいいです。
低粘度油性インクで代表的なものは三菱鉛筆のジェットストリームです。
ジェットストリームの書き味は素晴らしく、筆記具業界に衝撃を与えました。(たぶん)
ボールペンの売り上げは日本の中ではぶっちぎりの一位です。
世界でも愛されているボールペンで、油性ボールペンなら私も一番おすすめです。
なめらかに書けるので、長時間書いていても疲れにくいところが素晴らしいと思います。
間違いなくボールペン最強の一角でしょう。
水性インク
実は万年筆のインクも水性なので、万年筆を使われている方は水性インクの方が馴染み深いかもしれません。
特徴としては紙の上にペン先を置くだけでどんどんインクが出てくるので、サラサラと軽い力で書くことができます。
ただ力を入れないくてもかけてしまうことや、力を入れると紙を破りやすいため、複写式のものに書くのには適しません。
また発色がとても良いです。ですので各メーカーからたくさんの色が出ています。
マニアの領域になってしまうかもしれませんが、実は黒インクも色々タイプがあり、赤っぽい黒、青っぽい黒などあるのですが、水性インクは混ざり物のない黒という感じのきれいな色が多いです。
あと個人差があると思いますが、私は水性インクの方が字がきれいに書けます。
水性顔料インク
水性顔料インクは水性インクなのに乾くと耐水性があるインクです。
(乾く前に濡れると伸びてしまうので注意が必要です。)
水性顔料インクは特に発色がきれいだと思います。
弱点としては乾くのが若干遅いので、書いた後にすぐ擦ってしまうと伸びてしまいます。
ただこの乾くまでの間にインクがキラキラと光を反射して光るのが個人的に好きです。
水性顔料インクのボールペンでおすすめはゼブラのサラサクリップです。
書き味と発色が素晴らしいです。私も普段使うボールペンはサラサクリップです。
色がなんと50色以上もあるので、イラストを描いたりノートをカラフルにまとめるのにもおすすめです。
水性染料インク
水性染料インクは耐水性はありませんが、その代わりに速乾性があります。
ですので、速記される方にはぴったりです。
また左利きの人も手が汚れることが無くておすすめです。
弱点としては裏写りが結構します。
紙の薄い手帳などに書くと、しっかり裏まで黒くなってしまうので、使いどころによっては困るかもしれません。
水性染料インクのボールペンは数を試したことがないので他にもいいものがあるかもしれないのですが、おすすめはゼブラのサラサドライです。
濃いめのインクがきれいで、書き味も軽くていいです。
エマルジョンインク
エマルジョンインクとは油性と水性が混ざったものになっています。
ちなみに「エマルジョン」とは化学分野の専門用語で水と油が混ざった状態のことを表すそうです。
特徴も油性と水性のいいとこどりという謳い文句らしいですが、実質なめらか油性インクに近いです。
水性が混ざっているから発色がいいのかと思ったのですが、比べてみるとほぼ油性と変わらないかなと思います。
ゼブラのブレンなどがエマルジョンインクに該当します。
フリクションインキ(消せるインク)
フリクションインキはPILOTのフリクションボールペンに使われているインクで、ペンについているラバーで擦ることで消せるという唯一無二の特徴を持っています。
ちなみにフリクションは摩擦という意味です。
原理としては熱が加わると透明になるインクになっています。
シャーペン感覚で使えて、わざわざ消しゴムを用意する必要がないので1本ですべて事足りてしまうという素晴らしいインクになっています。
また消しゴムを使わないのでごみが出ないのも素晴らしい点だと思います。
書き味は若干他のものよりは劣ってしまいます。
また、インクの色がどの色も薄いです。技術的に現在の色よりも濃くすることは難しいらしいです。
また注意しないといけないのは、ストーブの上や夏の車の中など、熱いところに置いておくと書いた文字が消えてしまうというところです。
あと当たり前ですが消せてしまうので公式文章に使えないです。
実は最近PILOT以外からも熱で消えるボールペンは発売されたのですが、私は断然フリクションボールペンがおすすめです。
ちなみに豆知識ですが、冷やすと消した文字が再び出てきます。
-20℃で完全に色が戻るそうですよ。
こんな人にはこのインクがおすすめ!
しっかりとした書き味が好き、昔ながらのボールペンがいい
→ 昔ながらの油性インク
ヌルヌルとペン先が滑るなめらかな書き味が好き、どんなところでも使えるオールマイティーなボールペンがいい
→ 低粘度油性インク
色のきれいなインクが好き、きれいに文字を書きたい、でも裏写りしたら困る
→ 水性顔料インク
鮮やかな色が好きで速乾性があるものの方がいい
→ 水性染料インク
いいとこどりが好き、横文字かっこいい
→ エマルジョンインク
ボールペンも消せるほうがいい
→ フリクションインキ
インクによる筆記線の太さの違い
ちなみにボールペンの太さの0.5とかって何の大きさかご存じですか?
これはボール径と呼ばれる値です。
実はあれは書ける太さではなく、先端のボールの太さのことなんです。
ですので同じ0.5でもインクやメーカーによって実際の書ける太さが違うんです。
今回紹介した中で特に違うのは
水性染料 > 水性顔料 > 油性
という感じで、水性染料が一番書いたときに太くなります。
イメージとしては油性の0.7と水性顔料の0.5、水性染料の0.4がほぼ一緒の太さになります。
ひとつずつ径がずれていくイメージですね。
水性が油性よりも太くなるのは、書いた後に紙の上で膨張するかららしいです。
これも実際に書いてみるのが一番ですが、ボール径 = 文字の太さではないことに注意してください。
まとめ
いかがだったでしょうか、ボールペンのインクと言ってもかなり種類があるんです。
今回色々特徴をご紹介していきましたが、書き味に関しては実際にお店で試してみるのが一番かなと思います。
ぜひみなさんも自分に合ったインクを探してみてくださいね。