時代を超え考えさせられる大作SF小説「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」【本・感想】
「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」という本を知っていますか?
SF小説の中でも語り継がれる大作であり、さらに題名のキャッチ―さもあって名前だけ聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか?
かく言う私もその一人でした。
私がこの本の存在自体を知ってから早十数年経っていて全然読んでいなかったのですが、先日本屋に入ったら偶然目に留まったので買って読んでみました。
今回はそんな「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」をご紹介します。
こんな人におすすめ
・SF小説好きの人
・「ブレードランナー」が好きな人
・AIやアンドロイドものの物語が好きな人
アンドロイドは電気羊の夢を見るか?とは
「アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (Do Androids Dream of Electric Sheep?)」とはフィリップ・K・ディックのSF小説です。
原作は1968年に、日本語訳版は1969年に発行されました。
内容は題名からもわかるように人間とアンドロイドを題材にしており、それぞれの違いや関わりなどをテーマにしています。
またこの本を原案とした映画「ブレードランナー」が1982年に公開され、その続編として「ブレードランナー2049」が2017年に公開されました。
あらすじ
時代は第三次世界大戦後、世界は化学物質の灰に汚染されてしまいます。
自然界では動物はほとんど死んでしまい、人間も大半が火星に移住をしています。
そんな世界で主人公のリック・デッカードは火星から地球に逃亡してきたアンドロイドを廃棄する賞金稼ぎをしていました。
(この世界では逃亡してきたアンドロイドは発見次第即廃棄することになっています。)
ある日リックに新型の8人のアンドロイドが地球に逃亡してきたため廃棄してほしいと依頼が入ります。
リックはこのアンドロイドを廃棄していく中で、人間らしいアンドロイドと触れていき、人間とアンドロイドの違いなどに悩んでいくという内容です。
ちなみにこの世界では生きた動物が極端に少なくなっているため、生きた動物を飼うことが一種のステータスになっています。
ですが生きた動物は高級品のため、お金のない人たちは機械でできた模造品の動物を飼っています。
リックの家でも昔は生きた羊を飼っていましたが、それが死んでしまい仕方なく機械の電気羊を飼うようになりました。
これが題名の「電気羊」の話です。
映画「ブレードランナー」とは内容が大きく違う?
実は「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」と「ブレードランナー」はかなり内容が違います。
私は「ブレードランナー」を観たことがなかったので、小説を読み終わった後にあらすじをネットで読んでみましたが、かなり大きな変更が加えられていると思いました。
詳しくはネタバレになってしまうため書きませんが、登場人物の詳しい設定や話の流れ、最終的な内容がそれぞれ違います。
なので「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」は原作というよりも原案のような感じの扱いではないかなと感じました。
まとめ
私は普段あまりSF小説を読まないせいもあるのかもしれませんが、最初の方は設定や特殊な用語を理解するのに時間がかかりました。
ですが、中盤あたりからテンポよく物語が進んでいき気がついたら読み割っていました。
これはこの小説の内容が魅力的だからだと思います。
一方で結構難解に感じるところもあり、この本のメッセージも掴み切れていないところがあります。
(ここは私の読解力の問題が大きいのですが…)
みなさんもこの本を読んでフィリップ・K・ディックの世界に触れてみてはいかがでしょうか?