バブルボケが出せる和製オールドレンズ「fujinon 55mm f2.2 」

オールドレンズの中でも人気のあるものの一つとしてバブルボケが出るレンズと言うものがあります。
何種類かバブルボケのあるレンズはあるのですが、今回「fujinon 55mm f2.2 」を買って使ってみました。

しばらく使用してみて、バブルボケや写りのクセなどがわかってきたので、今回はこのレンズについてご紹介していきたいと思います。

fujinon 55mm f2.2 とは

fujinon 55mm f2.2 は富士フィルムから1970年代に発売された単焦点レンズです。

このレンズは「M42マウント」の前期型と「フジカAXマウント」の後期型があります。
ちなみに後期型はもともとは「フジカXマウント」という名前だったのですが、現在の富士フィルムのXマウントと区別するためにAXマウントと呼ばれるようになったとか。

オールドレンズなのであたり前ですが新品は売っていないので中古品を探すことになるのですが、私が買ったときはヤフオクで5000円くらいでした。
フィルムカメラのボディもついてきたのですが、今のところそちらはお留守番してます。

後で詳しくご説明しますが、バブルボケの出るレンズとして人気が出てきており、昔より若干高値が付くようになってきているみたいです。

正面から見るとこんな感じです。
日本製を示す「Lens-Japan」という文字が目を引きます。

横から見るとこんな感じです。
メモリがカラフルなのがいい感じに時代を感じます。

銅鏡はプラスチックでできているので、レンズ自体はかなり軽いです。
またプラスチックのため日々が入っていたり割れたりしている個体も多いので、中古品を探す際は注意が必要です。
ちなみに私の買ったものも外側に若干ひびが入っていましたが、写りには問題なく使えています。

レンズキャップには「FUJICA」の文字が大きく入っています。
レンズに押し込んでくっつけるタイプなので、こだわりがない方は最近のレンズに使われているつまんで外すタイプのものに取り換えてしまった方が落ちなくて安心かもしれません。

実際にX-T2に付けてみました。
富士フィルムのミラーレスにフジノンレンズを付けるというのは何とも言えないうれしさがあります。

取り付けたときも横から見えるカラフルなメモリがいい味を出してくれています。

絞っていくと五角形になります。
f2.2~16まで使うことができます。

取り付け時には爪に注意

オールドレンズの取り付けにはマウントアダプターが必要なのですが、このレンズで厄介なのは独自の機能のために取り付け部にある銀色の爪です。

普通のM42マウントアダプターだとこのでっぱりが邪魔で上手く取り付けることができません。
対処法としてはこの爪を削るという方法もあるのですが、私のおすすめはRAYQUALのM42-FXを使うことです。

このマウントアダプターはうまくこの爪を逃がせるようになっているので、爪を削る必要がありません。
歴史あるレンズに傷をつけて使うのも気が引けるので、私はこのマウントアダプターを使用しています。
精度もかなりいいのでちょっと高いですがおすすめですよ。
(RAYQUAL M42-FX の詳しい記事はこちら)

バブルボケが出るレンズ

冒頭でもご紹介しましたが、fujinon 55mm f2.2はバブルボケが発生するレンズです。
バブルボケとは、玉ボケ(丸いボケ)の中でも輪郭がはっきりと見えるもののことです。

実際にfujinon 55mm f2.2 で撮影したバブルボケがこちらです。
イルミネーションがきれいに丸く、輪郭がはっきりと写っているのがわかります。
特に薄めの色でボケているところで見えやすいですね。

fujinon 55mm f2.2の他にも「CONTAX Planar T*50mm F1.4」や「Meyer-Optik Domiplan 50mm F2.8」などもバブルボケが発生するのですが、手に入りやすさや値段、マウントの関係で私はfujinon 55mm f2.2がおすすめです。

作例・使用感

毎度のことですが、富士フィルムのX-T2(APS-C)に取り付けて撮影しているので、焦点距離が1.5倍されています。
(35mm換算で82.5mmになっています)

個体差もあるとは思いますが、ピントは甘めでやわらかい印象の写真が撮れます。
私が解放気味に撮るのが好きというのも関係していると思います。

また強い光を当てると虹色のフレアが出ます。
「Super Takumar 55mm F1.8」と比べるとおとなしいですが、直で日光に当てるときれいな円の形でフレアを出すことができます。
ただし長時間日光を直接当ててしまうと、カメラのセンサーが焼けてしまう恐れがあるので注意が必要です。

バブルボケを撮ろうとするなら焦点距離が若干ネックですが、開放で手前にピントを合わせてやれば簡単にバブルボケが出ます。
f値も2.2なのでISO感度を上げれば手持ちでもイルミネーションを撮れるのは良いと思いました。

まとめ

手に入りやすさなどの面からバブルボケ入門としてぴったりのレンズだと思います。
オールドレンズらしい写りの甘さはありつつも、やさしくてきれいな色味はこのレンズの魅力です。
万能の一本ではありませんが、狙って使えば他のレンズでは取れないような写真を撮ることができるのではないでしょうか。

みなさんもこのレンズでいつもと違った写真を撮ってみてはいかがでしょうか。