元祖自己啓発書は現代にもためになる! D・カーネギー「人を動かす」【本・感想】
D・カーネギー「人を動かす」という本をご存じでしょうか。
ビジネス書を読んでいる方の中ではかなり有名な方の有名な本だと思います。
ですが結構昔の本なのでめちゃくちゃ難しい内容で書かれてるんでしょ?と決めつけて手を付けていませんでした。
ですが文庫本で見つけたので気が向いたので読んでみたら、めちゃくちゃ勉強になったのでみなさんにおすすめしたいと思います。
こんな人におすすめ
・マネジメントをしている人、勉強したい人
・人の心理について学びたい人
・ビジネス書を読んでいる人、これから読みたいと思っている人
「人を動かす」とは
「人を動かす」とはアメリカのデール・ブレッケンリッジ・カーネギー (Dale Breckenridge Carnegie)が書いた「HOW TO WIN FRIENDS AND INFLUENCE PEOPLE」という本が原本になっています。
また今回のこの本は1981年に改訂されたものを翻訳した本です。
カーネギーは肩書がたくさんあるのですが、教師と作家、スピーチや対人スキルなどに関する開発者です。
そしてこの本は、カーネギーが話術や人間関係の講習会に使うために書いたテキストがどんどん増え、15年の歳月を経て本になったものです。
自己啓発書の元祖とも呼ばれることもあり、世界中で読まれている本です。
内容・構成
この本は大きく分けて以下の4つの章に分けられています。
・人を動かす三原則
・人に好かれる六原則
・人を説得する十二原則
・人を変える九原則
それぞれの原則は最初に題名、本文に原則の説明と実例を交えた紹介、最後に原則が1行で書かれています。
ちなみに題名と原則はほぼ同じことが書かれています。
内容はとても分かりやすく書かれており、具体例の分量が多めです。
原則は目次でわかるようになっているので、見返すときにも便利だと思います。
あたり前のことが書かれていると言われているが…?(良い点について)
よくこの本の感想で「あたり前のことが書かれている」というのを見かけますが、私はそれだけじゃないなと思いました。
私が感じたこの本の勉強になったところは、「あたり前だけど大切なことの再確認」と「意識していないが人間はこうなっている」という2点だと思います。
最初の「あたり前だけど大切なことの再確認」は「人に好かれる原則:笑顔で接する」のようなものです。
それはそうでしょと思う方も多いとは思いますが、これらはどんなときでもやらないといけないというのが難しいところです。
あたり前だけど意識していつでもできるようにしなければいけない、そういうことの再確認になる内容でした。
もう一つの「意識していないが人間はこうなっている」は例えば「議論に勝つ唯一の方法として議論を避ける」などです。
これはめちゃくちゃ勉強になったのですが、議論してその場で打ち負かしたとしても相手に負の感情を持たせてしまうので、議論をした時点で勝者は誰もいないという内容でした。
これ以外にも人間はこうなっているという特性のようなものがとても勉強になりました。
書かれた時代と環境の現在との違いについて
最初に軽く触れましたが、この本がもととしている本「HOW TO WIN FRIENDS AND INFLUENCE PEOPLE」はもともと1937年にアメリカで発行されたとても昔の本です。
そしてこの本は1981年に改訂されたものを翻訳したものになります。
古い本だしアメリカの本だから、現代の日本人にはピンとこないんじゃないか?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、私には結構刺さりました。
ただ確かにわかりにくいなと思ったところもあります。
まず時代の違いに関してですが、書いてある内容は人間の普遍的なところなので風化してしまっているなんてことはありません。
一方古い本でアメリカの本なので、例えで出てくる話が知らない人の話が多かったです。(歴史に疎いので私が知らないだけかもしれないですが)
一応ルーズベルトやリンカーンあたりはわかったのですが、「これがのちの○○である」と書かれても、私はわからなかったので「すごい人になったんだなー」という感じでした。
ちなみにこの本は改訂版を翻訳したものとご紹介しましたが、改定された内容はこの具体例の部分らしいです。
現代の人にわかりやすいように例え話を更新したらしいですが、それでも私はわからなかったです。
ただ具体例の人がわからなくても本の大筋を理解することはできるようになっているので、そこまで問題ではないかなと思いました。
まとめ
とても昔に書かれた本ですが、色あせることなく現在でも勉強になることが多いと思いました。
長い間読み続けられている理由がわかった気がします。
特にこの本は本棚に置いておいて、定期的に読み直したいと思いました。
ちなみに文庫本と新装版が出ています。
こだわりがなければ安くて持ち運びが楽な文庫本がおすすめですが、字が小さいと疲れてしまう方には新装版もありだと思います。
(新装版は結構でかいので、本棚での存在感がすごいです。)
みなさんももし読んだことが無ければ、ぜひ読んでみてください。
とてもおすすめの本でした。
文庫本
新装版