”勝ち方”や”リーダーとしての在り方”を野球の現場からビジネスの場に落とし込んだ本 落合博満「采配」【本・感想】
みなさんどんな本を読むことが多いですか?
私は読む本はあまり偏らないように、知り合いから紹介してもらったものも定期的に読むようにしています。
最近知人からの紹介で、元中日ドラゴンズの監督の落合博満さんの本「采配」を読みました。
私は野球経験者でも野球好きでもないのですが、非常に読みやすく勉強になったので、今回はこの本をご紹介します。
こんな人におすすめ
・向上心はあるがなかなか勝てない人
・リーダーとしての考え方を勉強したい人
・野球経験者や野球好きで、ビジネス書を探している人
内容・構成
落合さんの中日ドラゴンズの監督時代のことをベースに「勝ち方」や「リーダーとしての考え方」が書かれています。
良いと思うのは選手の話で具体例を出して、「一般的化するとこういうことです」という感じで書かれているので、自分で実践するにはどうすればいいのかがイメージしやすくなっています。
また思った以上にビジネス書してます。もっと野球の本なのかと思いましたが、どんな世界でも役立つ「根本的な考え方」について書かれていました。
中日の選手が例で出てきたりするので、知っている人はより楽しめるのかもしれません。
章の構成は以下のようになっています。
1章 「自分で育つ人」になる
2章 勝つということ
3章 どうやって才能を育て、伸ばすのか
4章 本物のリーダーとは
5章 常勝チームの作り方
6章 次世代リーダーの見つけ方、育て方
1,2章は勝負に勝つための考え方の章です。
若手選手の指導などを例に、どのような考え方をすれば成長できるのか、いろいろな場面で「勝つ」ことができるのかが書いてあります。
ここは現場から上の人まで、どの立場の人でも当てはまる根本的な考え方になっています。
3~5章はリーダーとしての考え方です。ここは落合さんが監督としてやってきたことを中心に、ビジネスやほかの場面にどのように落とし込んでいくかという内容でした。
最後の6章はさらに一つ上の段階、次の代に継承する立場の人の話です。
向上心より野心を抱け
かなり序盤に出てくる言葉ですが、これがとても刺さりました。
落合さんは最近の若い選手は「一人で過ごすのは好きだけど、孤独には耐えられない」というタイプが多いように見えるが、「孤独に勝てなければ、勝負に勝てない」と書いています。
では孤独に勝つにはどうすればいいのか、それが「野心」を抱くことだと落合さんは考えているそうです。
落合さんはこの本の中で野心についてこのように以下のように書かれています。
自分が身を置く世界を太く長く生き抜いていきたいと思っているの
なら、向上心より野心を抱くべきだと思う。(中略)
「近い将来レギュラーになってやる」という向上心よりも、「レギュラーの寝首を斯いてでもポジションを奪ってやろう」と心に秘めるのが一流への近道になる。(中略)
野心を抱けば、自分の周りの世界が見えるようになる。そして、たとえ自分がうまくなっても、ライバルがもっとうまくなったら自分の立場は変わらないということがよくわかる。そう実感すれば、今は死に物狂いで食らいつく時なのか、力をしっかり蓄えるべきなのかといった「今自分がすべきこと」も見えてくるのだ。
今の選手は素直でまっすぐな向上心を抱いている人が多い。でもそれだけではだめなのです。
きれいにまとまっているだけでは足りません、貪欲な野心を抱くことで成長への道が開けてくるのです。
これは落合さんならではの言葉であり、考え方かなと思いました。
しかも落合さんがおっしゃられることで、説得力が増すような気がします。
まとめ
私の場合はまだリーダーや指導者ではなく現場の人間なので、序盤の考え方のところが非常に勉強になりました。
また落合さんの文章が面白く、野球の知識はありませんでしたがスラスラと読んで理解することができました。
野球好きの人はもちろん、そうでないビジネスマンにもおすすめの本です。
ぜひみなさんも読んでみてください。