門外不出の稲盛和夫さんの生き方考え方が詰まった本「京セラフィロソフィ」 【本・感想】
今回は私が尊敬している稲盛和夫さんの本の中から「京セラフィロソフィ」をご紹介します。
この本は稲盛和夫さん書かれた本の中でも指折りのページ数と分厚さでなかなか手を付けられていなかったのですが、一度読み始めたらどんどん引き込まれ一気に読み切ってしまいました。
どんな人にもおすすめしたい素晴らしい本だと思います。
それでは簡単にご紹介をさせていただきます。
こんな人におすすめ
・テクニックではなく人として大切な考え方を身につけたい人
・経営者としての勉強をしている人
・稲盛和夫さん、京セラの「根本的な考え方」を知りたい人
稲盛和夫さんについて
稲盛和夫さんのことをご存じでない方はほとんどいらっしゃらないと思いますが、稲盛和夫さんは京セラや第二電電(現・KDDI)の創業者です。
社員8人で京都セラミツク(現・京セラ)を設立、現在の大企業まで成長させています。
通信事業の自由化が決まった時にはどの企業もも手を上げない中、国民のために通信料を下げるため第二電電を設立されました。
また2010年には日本航空の会長に無報酬で就任し、赤字続きだった日本航空をわずか3年間で立て直されています。
稲盛和夫さんはたぐいまれなる経営手腕と、素晴らしい人間性をお持ちのとても魅力的な方です。
京セラフィロソフィとは
稲盛和夫さんが「人間として何が正しいのか」を自信に問い続け、真摯に仕事をして人生を生きていく中で生まれた考え方が「京セラフィロソフィ」です。
もともと若手経営者向けの経営塾「盛和塾」での講和記録を編集して京セラの社内教材として使用していたのですが、多くの塾生から社内教育に使うために公刊を求める声が上がり、この本の出版につながったそうです。
この本では、「京セラフィロソフィ」の内容をコンパクトにまとめ、京セラ社員に配っていた「京セラフィロソフィ手帳」を一項目ずつ解説するという方法をとっています。
稲盛和夫さんの本「生き方」と比較して
稲盛和夫さんはたくさんの本を書かれていらっしゃいます。
有名なのは「生き方」、「考え方」、「働き方」の○○方シリーズです。(私が勝手に読んでます。)
最近では「心」が発売になりましたね。
特に「生き方」は長年愛される素晴らしい本で、私も定期的に読み返すようにしています。
実はこれらの本はすべて本書「京セラフィロソフィ」をもとに書かれています。
私も稲盛和夫さんの本をすべて読んだわけではないのですが、この本を読んでみて思った印象は
「生き方」+ 経営者向けの話
という感じでした。
例であげられる話も「生き方」で書いてあったものと同じで、盛和塾用に経営者向けの話が追加されているという風に感じました。
割合で言うと7:3で「生き方」が多い感じです。
とは言え経営者向けに難しく書いてあるかと言えばそうではなく、とても分かりやすく書かれています。
一部で経営者でないと当てはまらない話もありますが、どの立場の人にも当てはまる根本的な考え方が多く書かれています。
経営の話は興味ないので入門編として読みたいという方は「生き方」の方がおすすめですが、手元にずっと置いておいて自分の立場が変わった時にまた違った視点から読み返すという使い方ができる、一生ためになる本だと思います。
構成
本書は約600ページあり、以下の4章で構成されています。
第1章 すばらしい人生をおくるために
第2章 経営のこころ
第3章 京セラでは一人一人が経営者
第4章 日々の仕事を進めるにあたって
第1章が約380ページと半分以上を占めています。
ここではどのように心を高めることの重要性や、どのようなことを大切にして仕事をしていくべきかという内容が書かれています。
第2章では経営者としての目線での考え方が書かれています。
この章でも心の在り方を大切にしましょうという内容が中心です。
ちなみに1,2章は稲盛和夫さんの「生き方」とほぼ同じことが書いてあります。
それだけ「生き方」に書かれていることは確立された内容だったんだなと感じました。
第3章はほとんど商品の値決めについてです。
ここは経営者であれば勉強になるところであり、一般社員の方にはなかなか理解が難しいところかなと思いました。
第4章も1,2章に近く、立派な考え方を持ち続ける、現場主義を貫くという大切にするべき考え方が載っています。
きれいな心で願望を描く
お釈迦様の言葉の中で「心に描いたとおりになる」という言葉があります。
これは心に思ったことは全部現実として現れるということです。
稲盛和夫さんもこの考え方に賛同されており、本書の中で
成功を維持させるためには、描く願望や情熱がきれいなものでなければなりません。(中略)
純粋な願望をもって、ひたすら努力を続けることによって、その願望は必ず実現できるのです。
と書かれています。
「因果応報」という言葉もあるように、自分の行いは良いことも悪いことも寸分たがわず自分に返ってきます。
だからこそ、正しいきれいな心で願望を描くことによってそれを実現できるということです。
この内容が私はすごく響きました。
知識より体得を重視する
本書の中で「知識より体得を重視する」という言葉が出てきます。
「しっている」ということと「できる」ということはまったく別であり、人から教わったことや本で読んだ知識よりも、自らの身体で得たものを重視するという意味です。
確かに知っているだけでは意味がなく、できることに意味があると思いました。
またこの本の一番最後で稲盛和夫さんは
『京セラフィロソフィ手帳』のひもときがすべて終わりました。何度も読み返していただき、日々の仕事や会社経営の中で生かしていただきたいと思います。
と書かれています。
このことからも読んで満足しておしまいではなく、体の芯まで染みわたるまで日々考えて実践していく必要があると思います。
私も何度も読み返して実践をしていきたいと思います。
まとめ
ハウツー本のようなすぐに役立つテクニックというのではなく、人として大切にするべき考え方が書いてある本でした。
もちろんテクニックも大切だと思いますが、それだけではいけないと気づかせてくれる本です。
また途中でも書いたように、手元にずっと置いておき定期的に読みなおしたいと思える本でした。
個人的には吉野家の牛丼の並と牛皿を注文して、お肉多めで食べるのが好きというエピソードが、どんなに立場が上になられても偉ぶらない稲盛和夫さんの人間味が出ていて好きです。
ちなみに牛皿は丸々1個では多すぎるので、運転手さんと半分こするらしいです。
あと奥さんとスーパーに買い物に行ったときに、はしゃいでカゴに商品を入れすぎて奥さんに怒られるエピソードも好きです。
みなさんもぜひ稲盛和夫さんの考え方に触れて、本当に大切にすべきことを考えるきっかけにしてみてください。