ただのレンズキットのレンズではないクオリティ「Fujinon XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS」

富士フイルムのミラーレスカメラでレンズキットと言えば「XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS」でした。
「でした」というのは最近では「XF16-80mmF4 R OIS WR」というレンズがレンズキットのレンズとして選ばれていることが増えてきたためですが、それでも「XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS」は初心者でも手が出しやすい標準ズームレンズとして愛されています。

今回は私もX-T2と一緒にレンズキットで購入し5年近く使用していた「XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS」の魅力についてご紹介します。

XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS とは

「XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS」はXシリーズが発売されたときからある標準ズームレンズです。
主なスペックは以下の通りです。

  • レンズ構成:10群14枚
  • 焦点距離: 18-55mm (35mm判換算:24-84mm相当)
  • 画角:   76.5°-29.0°
  • 最大口径比:F2.8(W端)、F4.0(T端)
  • 最小絞り: F22
  • 絞り形式: 羽枚数7枚
  • 最短撮影距離:30cm(W端)、40cm(T端)
  • 外形寸法: Φ65mm×70.4mm(W端)/97.9mm(T端)
  • 質量:   310g
  • フィルターサイズ:Φ58mm

35mm判換算で24-84mm相当という焦点距離からもわかるように、使いやすい焦点距離をカバーしている標準ズームレンズです。

フィルターサイズはΦ58mmなので、ズームレンズとしては結構小ぶりなサイズだと思います。
重量も310gなので、明るい単焦点レンズなんかよりは全然軽いですよね。

全体的に小型軽量のレンズにもかかわらず手振れ補正が付いているところもこのレンズの優秀なポイントです。
最近では富士フィルムでもボディ内手振れ補正が付いているカメラも増えましたが、最初のころはボディには手振れ補正がついていないことがほとんどだったので、この機能は素晴らしかったです。
もちろんボディ内手振れ補正があるカメラに取り付けると相乗効果が得られます。

「XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS」は焦点距離によって全長が伸び縮みします。
焦点距離によって絞り値が変化するため、絞りリングは物理的に数値と対応しているのではなく、くるくる回してカメラでF値を確認するようになります。

またレンズには手振れ補正と絞り操作用のスイッチがついています。
星を撮るときなど手振れ補正を切りたい場合にも、このスイッチ一つでON/OFFができるので便利でした。
一方で絞りオートは私の場合は使わないので、絞りのスイッチに関してはほぼ触ったことありませんでしたね。

防塵防滴仕様ではないので、雨の日の使用には注意が必要です。

サイズ・装着感

サイズはズームレンズの中ではかなり小ぶりの方です。

X-T4に取り付けるとこんな感じです。
レンズが小さいため重量バランスもいい感じです。
もう少し小さいX-S10やX-T100に取り付けても使いやすいサイズ感だと思います。

上から見るとこんな感じ。長さも長すぎなくていいです。

レンズフードを付けるとこんな感じです。フードを付けても取り回しの良いサイズ感です。

作例・使用感

実際の作例とともに使用感についてご紹介します。

レンズキットのズームレンズはボケないというイメージがあるかもしれませんが、解放で撮ればしっかりとボケます。
単焦点レンズと比べてしまうと物足りないかもしれませんが、スマホではなかなか味わえないボケ感を楽しめると思います。

逆に絞ればしっかりと全体が写ります。
絞った時の解像感はレンズキットのレンズとは思えないのではないでしょうか。

何段か絞るだけでこのようなキレのある写真も撮れます。
これなんかは光がうまく当たっていることもありますが、かなり立体感が出ているのではないでしょうか。

手振れ補正が付いているので、ISOを上げれば何とか水族館のような暗い場所でも撮影することができます。
ただ動きが早いものに対しては単純にF値が足りないかなと思いました。
とは言えそこまでの明るさを求めるのであれば単焦点や大三元などを使用すればよいので、標準ズームレンズとしては優秀だと思います。

まとめ

「XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS」はお手頃価格でレンズキットにも使われているレンズですが、決して初心者向けだけの廉価版レンズではありません。
写り、サイズ、重量、機能とかなりバランスよく作られています。

また大三元の「XF16-55mmF2.8 R LM WR」と比べてもその軽さや手振れ補正といった利点で差別化されています。
用途によっては標準ズームの中で「XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS」が一番合うということもあるので、気になる方は一度手に取ってみてはいかがでしょうか。