虹色フレアが出せるお手頃オールドレンズ 「Super Takumar 55mm F1.8」

2020年5月4日

趣味でミラーレス一眼で写真を撮っていますが、レンズがそろってくると焦点距離やf値以外に、なんか癖のあるレンズとかにも手を出したくなってくるものです。

そんなことで今回はオールドレンズの中で定番レンズのひとつ「Super Takumar 55mm F1.8」を使ってみたので、ご紹介をします。

Super Takumar 55mm F1.8とは

Super Takumar 55mm F1.8はPENTAXから1960年代に発売された標準レンズです。

この頃のPENTAXのカメラはほとんどこのレンズが付いていたので、市場に大量に存在していて、安く手に入るのでオールドレンズ初心者にもおすすめのレンズです。

私はヤフオクで5000円前後で買ったと思います。
(結構昔なので履歴が見れずうろ覚えですが…)

1960年代前半に販売されていた前期型と1965年から発売された後期型があるのですが、そこまで写りに差がないと思うのでここでは割愛します。

写真だとわかりにくいかもしれませんが、若干レンズが黄色になっています。

実はこのレンズはトリウムレンズという放射性物質のトリウムガラスを使用したレンズです。別名では放射能レンズやアトムレンズとも呼ばれています。
放射性物質と言っても使用するうえで体に害はありませんが、これによって経年変化でレンズが黄色く変色してしまします。

レンズに色が付くともちろん撮影した写真にも色がついてしまいます。
(完全に黄色って程にはなりませんが)

とは言えミラーレス一眼内での色の調整や、Lightroomで修正できる程度なのであまり気にする必要はないとは思います。

横から見るとこんな感じです。(レンズ取り付け側にカバー付けてます)
f1.8~16まで使えます。

まわりは金属製になっていて、オールドレンズにしてはしっかりしたつくりになっています。
(オールドレンズはプラスチック製のものも多いです)

最近の大口径のレンズを使っている人からすると、かなりコンパクトなサイズ感です。

私が使っているX-T2につけるとこんな感じ。かわいらしくてお気に入りです。

M42マウントなのでマウントアダプターを付ければ現行のミラーレス一眼につけることができます。

M42マウントはオールドレンズの中でも代表的で数の多いマウントなので、マウントアダプターも手に入れやすく、他のレンズとも使いまわししやすいのでポイント高いです。

虹色のフレアが出る!

このレンズの最大の特徴は虹色のフレアが出せるところです。

こんな感じで日光などの強い光が直接入る角度で写真を撮ると虹色のフレアが出ます。
凄いきれいですよね。

最近のレンズではコーティングが進化して、逆光でもフレアやゴーストが出にくくなっています。
しかしオールドレンズではそんな対策もまだまだの時代なので、大いにフレアが出るんです。

フレアの出方や色味はレンズによって特徴がありますが、このSuper Takumar 55mm F1.8 では虹色にフレアが出ます。


ちなみにきれいにフレアが出るのは絞りを全開放しているf1.8の時のみです。
一段階上のf2まで絞るとフレアが出ますが欠けて円にならず、さらに絞るとフレアが画像のようには出ません。

これは開放側の方がレンズにとっては厳しい条件なのでフレアなどが出てしまう、という本来良くない状況を逆手にとって使っているためです。

逆光によるコントラスト低下が激しい

オールドレンズなので仕方ないのですが、フレアを出そうとして完全に逆光の状態で撮るとコントラストの低下が激しいです。
具体的には全体的に白くなってしまい、RAWファイルで撮影した後にLightroomで修正してもコントラストをカバーしきれない場合も多いです。

快晴で日の光がかなり強い時は、葉っぱなどで若干光を遮って弱くすることで真っ白になるのを防ぐことができます。

作例

富士フィルムのX-T2に取り付けて撮影しているので、焦点距離が1.5倍されています。
(35mm換算で82.5mmになっています)

ブログトップの写真もこのレンズで撮影しています。

全体的に開放側で撮影していますが、ピントの合っているところ以外の写りの甘さがオールドレンズっていう感じでいい雰囲気になっていると思います。
順光、逆光に関係なく、全体的にコントラストは低めに撮れます。

これもオールドレンズ全般に言えることかもしれませんが、被写体との距離が遠くなるとピントを合わせても写りの甘さが目立つので、中近距離で使うのがおすすめです。
とはいえ、私はこの写りの甘さもオールドレンズの楽しみの一つだと思っているので、鹿の写真のようにわざと遠くから撮ったりもします。

まとめ

虹色フレアの写真を撮るだけでも価値があると思うくらいきれいなフレアが撮れます。
それ以外でも「いかにもオールドレンズ!」という感じの色合い、写りの甘さのある写真が撮れるので、とてもいいレンズだと思います。

オールドレンズは状態の善し悪しが大きく影響するため手軽に手を出しにくいところはあるかもしれませんが、このSuper Takumar 55mm F1.8 はかなり安価なので、まさにオールドレンズのお試しにおすすめです。

ぜひ使ってみてください。