ルイとイブキの別れの曲 YOASOBI「優しい彗星」

YOSAOBIの新曲「優しい彗星」がまさにBEASTARSのための曲になっていて感動したので、今回はこの曲をご紹介したいと思います。

優しい彗星

「優しい彗星」はYOASOBIの曲で、2021年3月24日に「怪物/優しい彗星」でシングルとして発売されます。

アニメBEASTARSのダブルタイアップになっており、「怪物」はオープニングテーマ、「優しい彗星」はエンディングテーマに起用されています。

優しい彗星はルイとイブキの曲

「優しい彗星」はBEASTARSのキャラクターのルイとイブキの曲です。
ルイとイブキについて簡単にご紹介します。

ルイ

ルイはアカシカの雄で、チェリートン学園高等部の3年生です。
その類まれなるカリスマ性から、学園全体を統べる「ビースター(ビーストのスター)」に一番近い動物の一人とされています。

あることがきっかけで危険団体シシ組のボスを射殺し、シシ組の構成員の提案でシシ組の新たなボスになります。

ホーンズ財閥現経営者オグマとされていますが実は裏市の出身で肉食動物に食べられる生餌として売られていました。
そこで一緒に売られている動物を守る誇り高い生き方をみたオグマに買われ、自分の息子として育てられることになります。
その時の名残でルイの右足の裏には「4」の数字が入れ墨として入っています。

イブキ

イブキはマサイライオンの雄で、裏市の危険団体シシ組の構成員です。(いわゆる暴力団のようなものです。)
眼鏡をかけており、血の気の多いシシ組の中では珍しいインテリ派です。
シシ組の当時のボスを殺したルイを新たなボスにすることを提案した張本人です。
草食獣でありながら廃れかけていたシシ組を立て直すルイを支えながら、そのカリスマ性に心酔していくことになります。

イブキもともとは表社会の出身でしたが、子どものころに貧しい家庭に生まれ親に裏市に薬の材料として売られます。
イブキは材料にされる前に逃げ出し、それから裏社会で生きていくことになります。

裏市で売られる動物の体にはその肉にの効能が書かれるのですが、イブキの体も昔の名残で「疲労回復」「呼吸安定」「筋肉増強」などの効能の入れ墨が入っています。

ルイとイブキの友情

物語が進むにつれルイとイブキには不思議な友情が芽生えます。

イブキはなんだかんだ面倒見がよく、ワニが解体されるところをルイに見せないようにしたり、シシ組の肉食の食生活が体に合わないルイを心配したりしています。

またルイの発言から自分と似たものを感じたイブキは、ルイと二人きりの時に自分の腕の「疲労回復」と書かれた入れ墨を見せて自分の子どもの頃の話をしています。

その時のルイは「冷えるなイブキ 飲むか」と言っており、イブキも「朝まで付き合いますよ!」と言っています。
このことからもルイとイブキは単なる組のボスと構成員というだけの関係ではなくなっていることがわかります。

書き下ろし小説「獅子座流星群のままに」が原作

YOASOBIの曲は小説を原作として作られています。
「優しい彗星」はBEASTARSの原作者の板垣巴留(いたがきぱる)先生書き下ろしの小説「しし座流星群のままに」を原作としています。
「獅子座流星群のままに」はBEASTARSの公式HPの「MUSIC」から読むことができます。

これはBEASTARSであった物語を補完する小説です。
ここからBEASTARSの「食殺事件編」のネタバレがあるので、未読の方で知りたくない方は注意してください。



シシ組のボスとして組の立て直しを進めていたルイですが、ある出来事をきっかけにシシ組を抜けることにします。
気まぐれで抜けたり戻ったりできるほどシシ組は甘くないとイブキはルイにいい、そのまま2人で車に乗り込み移動することになります。

移動中はたわいもない会話をする二人ですが、車は暗い道に入っていきそこで降ります。

そしてイブキはシシ組から抜けるための落とし前として、自分を銃で撃って殺すか裏切り者として自分に食べられるか選べとルイに言います。
ルイは「…無理だイブキ…お前のことは…撃てない…」と言い、イブキはルイに襲い掛かろうとしますが、その直前にイブキは撃たれ倒れます。

銃を撃ったのは同じシシ組のフリーでした。
実はイブキはあらかじめフリーに「ボス(ルイ)を食いそうになったら俺を撃て」と言っており、最初から自分が死んでルイを表の世界に戻そうとしていたのです。

そんな一連の出来事が「優しい彗星」の歌詞になっています。

また歌詞の中にも「ルイ」と「イブキ」という言葉が入っています。
のない日々」「別れの息吹が襲いかかる」
という言葉からもルイとイブキの曲なんだなということがわかります。

まとめ

「優しい彗星」は不器用ながらも優しいイブキとルイの不思議な関係とその終わりを綴った曲でした。

物語を大切に曲を作るYOASOBIだからこそ、ここまでBEASTARSにあった曲を創れたのだと思います。
ちなみにインタビューで原作者の板垣巴留先生もぴったりの曲とおっしゃっていました。